贈り物マナー
葬儀や法要は、昔からのしきたりや作法など、細かい決まりが多く存在します。
基本的なことだけでもおさえておき、お悔やみの心をきちんと伝えましょう。
供物
- ■いつ贈る?
◎品物の場合
通夜に供える品物は当日の午前中に、葬儀に供える品物は前日には届けます。
◎金封の場合
通夜が葬儀・告別式の当日に持参します。 - ■表書き・水引は?
◎表書き/
◇供物の場合(供物、供花など)
御供・御仏前黒か白のリボンをかけて小さな名札をつけます。
◇金封の場合(香典)
御霊前(仏式・神式・キリスト教式)
御香典・御仏前(仏式)
御榊料・御玉串料(神式)
御花料・忌慰料(キリスト教式)
◎水引/黒白・黄白・銀白結び切り - ■気をつけることは?
供物は宗教によって異なります。
◎仏教
線香、抹香、ロウソク、菓子、果物などが一般的です。生花や故人の好物を供える風習もあります。◎神式
鮮魚や乾物などの海の幸と、野菜や果物などの山の幸と、酒を供えます。精進や香をたく習慣はありません。◎キリスト教式
急に通夜に参列することになった場合は普段着で結構です。
カトリックの場合は、祭壇へは供物を供えません。
またプロテスタントの場合は、生花のみが供えられます。
ただしアクセサリーはとるようにしてください。
通夜と告別式の両方に参列する場合は、香典はどちらかに持参します。
故人の遺志などで香典や供物、供花などを受け取らない場合があります。
「供物、供花ご辞退」なら、香典は受け付けることを意味し、「ご厚志ご辞退」なら、
供物、供花、香典とも受け取らないということです。
喪家が親しい間柄なら、通夜見舞として簡単な食べ物や、通夜ぶるまいに出す品を届けるのもよいでしょう。
そのときは供物と間違われないように通夜見舞であることを告げましょう。
バッグやポケットから不祝儀袋を直接出すことはマナー違反です。
不祝儀は古い札がよいと言われていますが、最近では新札でも問題ありません。
祭場供養
- ■いつ贈る?
通夜や葬儀・告別式の会葬の御礼として、会葬礼状、清めの塩と一緒に御礼品を会葬者に渡します。 - ■表書き・水引は?
◎表書き/志・粗供養・供養
◎水引/黒枠付封筒 - ■気をつけることは?
正式には、通夜に渡すのが御弔問御礼、葬儀・告別式に渡すのが会葬御礼です。
会葬御礼は、予想される会葬者の数よりも多めに準備しておきます。
最近では告別式の当日に、即日返しとして香典返しの品を渡すこともあるようです。
その場合は、会葬御礼品は省略することが多いようです。
挨拶回り
- ■いつ贈る?
葬儀の翌日から初七日までの間に、喪家は世話役やご近所の方、故人がお世話になった方々などに、
お礼の挨拶にまわります。その時に、手土産程度のお礼の品を持参します。 - ■表書き・水引は?
◎表書き/御礼・志
◎水引/黒白または黒白銀結び切り - ■気をつけることは?
主だった会葬者や、お世話になった方には葬儀後2~3日中には挨拶に行くようにしましょう。
最初に寺院・神社・教会へ、それからは故人と関係の深い順にまわるのが一般的です。
世話役代表には、御礼として金封を手渡すのが一般的です。
故人の勤務先へも挨拶に行き、事務処理や、私物の整理も行います。
自宅で通夜、葬儀を行った場合、ご近所の方に少なからず迷惑をかけているはずです。忘れずに挨拶に行きましょう。
香典返し
- ■いつ贈る?
供物は宗教によって異なります。◎仏教
七七忌(四十九日)の法要をもって満中陰を迎え、忌が明けることから、供物、供花、香典をいただいた方全員に、
無事に満中陰を迎えたお礼として品を贈ります。
なお、忌中が三月に渡る場合は、切り上げで五七忌(三十五日)をもって満中陰法要を行うこともあります。◎神式
一般的に50日目の霊前祭(五十日祭)をもって、仏教でいう忌明けとなりますので、その直後にお礼の品を贈ります。
なお仏式同様に、三月に渡る場合は、切り上げて三十日祭りでもよいとされています。◎キリスト教式
本来キリスト教に香典返しはありませんが、日本の風習に合わせて行われています。
仏教でいう忌明けは、カトリックでは30日目の追悼ミサ、プロテスタントでは1ヶ月後の召天記念日となり、
その直後に記念の品を贈ります。 - ■表書き・水引は?
仏教
◎表書き/志・満中陰志・満中陰
◎水引/黒白または藍銀結び切り神式
◎表書き/志・偲草
◎水引/黒白または藍銀(蓮絵なし)結び切りキリスト教式
◎表書き/志・粗品 ◎水引/黒白 - ■気をつけることは?
他のお返しと同じく「半返し」がマナーです。芳名帳とともに香典金のリストを作っておくと便利。
香典返しには、必ず挨拶状を添えるようにしましょう。
なお、神式やキリスト教式の場合は、仏教用語は使いませんので、時は注意を。
弔電だけをいただいた方には、お返しの必要はありません。
実筆の挨拶状を出せばよいでしょう。
香典返しをいただいた時には、お礼は出さないのが本来のしきたりです。
新盆
- ■いつ贈る?
忌明け後に初めて迎えるお盆ですので、身内や親しい方を招いて盛大に行われます。
この時、親戚が新盆提灯を贈る習慣がありますが、1週間ぐらい前には届くようにしましょう。
また新盆に招かれた時には、仏壇に供える供物を持参します。 - ■表書き・水引は?
◎表書き/御礼・志
◎水引/黒白または黒白銀結び切り - ■気をつけることは?
四十九日前や、四十九日の法要から間のない場合。省略するのが一般的。
簡単な食事などのもてなしでお返しとしますが、品を贈る場合もあります。
供物をいただいたご近所の方などには、租供養として実用品などを贈ります。
彼岸
- ■いつ贈る?
春秋の彼岸に、新仏のある家では仏壇に供物やお花を供え、僧侶を招き読経してもらい、お墓参りをします。
家族やごく親しい間柄での供養なので、招かれた時だけ供物を持参します。 - ■表書き・水引は?
◎表書き/御供・御供物
◎水引/黒白または藍銀結び切り - ■気をつけることは?
お墓参りは、彼岸中ならばいつ行っても構いません。
特に遺族に断る必要もなく、お花や故人の好物などを備えて冥福を祈りましょう。
年忌法要
- ■いつ贈る?
亡くなった次の年の祥月命日(同月同日)に一周忌、その翌年に三回忌、以下、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、三十三回忌、五十回忌、百回忌、それ以降は50年目ごとに法要を営みます。
一般的には、一周忌は盛大に多くの人を招きますが、三回忌以降は、関係が深い方だけを招きます。
招待された時は、当日に供物か供物料を持参します。 - ■表書き・水引は?
◎/供物・御供物
◎水引/黒白または藍銀結び切り - ■気をつけることは?
年忌法要では、三十三回忌まで法要を営むか、十三回忌以降は三十三まで省略するなど、
三十三回忌か五十回忌で終わることがほとんどのようです。
神式では、一年祭、三年祭、五年祭、十年祭、二十年祭、三十年祭、四十年祭、五十年祭り、百年祭りと続き、
招かれた際には「玉串料」として金封か供物を持参します。
カトリックでは、一年目の追悼ミサの後は、毎年の祥月命日に追悼ミサを行うことが多いようですが、
特に決まりはありません。
またプロテスタントでは、1年目、3年目、5年目といった区切りの年に記念式を行うこともあるようです。
キリスト教式では、招かれた際には「御花料」として金封か生花を持参します。
年忌法要では、一般的に僧侶の読経の後、お墓参りを行い、席を改めてもてなし、
粗供養として引き出物を手渡して供物へのお返しとします。